ELMÛSE10
小出力なのに音がいい、ではなく、小出力だから音がいい
ELMUSE7の電源回路を大幅強化し新たにELMUSE10として販売開始何も足さない何も引かない、静かな大音量がキャッチコピーのELMUSEシリーズ さらにクリアで上質な音質を実現しました。
ELMUSE7から一切妥協の許さない音質を追及し、
筐体サイズ・アンプ回路をそのままに電源回路を強化。
電源部には78,800μFの電解コンデンサを搭載し、安定した電源電圧から、高い瞬発力を実現致しました。
音源をクリアにありのままに表現することで、音源本来の音の広がり、その臨場感を
お楽しみいただけます。
また片手で軽々持てる小さな筐体でありながら
フルディスクリート回路構成となっております。
小さな箱から想像を超えるその純粋な音楽体験をご体感ください。
また、THROUGHIN入力をご使用頂くことで、音質劣化に関わる切り替えスイッチを通さず、より本来の音をお楽しみ頂けます。
スペック
- 定格出力:10W+10W(8Ω)
- 残留ノイズ:0.15mV以内
- 入力インピーダンス:10KΩ
- ゲイン20db (CDデッキの出力からダイレクト接続可能)(ゲイン変更可)
- 弊社専用国内製50VAトロイダルトランス使用
- ボリュームは連動誤差の非常に少ないアルプス製高級オーディオ用
(チャンネル相互偏差3db以内 0~-60db) - 切替SWは接点の影響が最も少ないセイデン製使用
(全機種採用、金メッキ接点接触抵抗5mΩ以内) - SICショットキーバリアダイオード定電圧整流電源及びCPM回路標準採用
- 赤銅スピーカー端子(小型タイプ)標準搭載
- 放熱を最大限活かせるアルミケース使用。パネル、バックパネルはアルミ、文字はレーザー彫刻
- 幅140mm/奥行き285mm/高さ60mm / 重量 2.2Kg
- シールド線使用無し(102SSC電線使用)
ACコードはお客様お好みの物を自由にお使いいただけるよう付属はいたしておりませんが
ご希望によりオプション(1,000円)としてご用意出来ます。
→アースリード付ACコード(当社全機種共通仕様)
※写真はELMÛSE10/Selector有(2入力+Through In), Volume有 +8,000円
※その他スペック詳細や特注についてはお問い合わせください。
※商品ロゴ含め製品デザインは変更する可能性がございます。ご了承ください。
<エルサウンド中の人より>
レビュー頂きありがとうございます。
つきピエ様のHP
↑こちらでも同じ内容をご記載頂いておりますが、写真も有り、大変良くまとめていただいております。
こちらからもご覧頂けます。
以下頂いたレビューです。
↓
一言で言うと・・・ELMUSE10は、ELMUSE7とELMUSE20のちょうど中間でした。
ELMUSE20はフルオーケストラでしっかりした分離感と音の立ち上がりがあり、ELMUSE7は少しぼかしが入るけど「たおやかな音」で生き生きとしている。その中間。それぞれのメリットを多く引き継いでいるように感じます。
以下、質問サイトの回答者並に冗長な長文。
試聴システム
スピーカー:DIATONE DS-203
D/A Converter:TEAC VRDS25x
EL SOUNDのアンプはカラーレーションが少なく、なにを聴いても素直な音がしてて良いです。ずっと聴いていて良さがわかってくる具合。解像度は高いけれど強調感がないし嫌な音が出てこないので、ゲームを長時間やり続けても耳がほとんど疲れない。音楽を長時間心地良く聴き続けられる。
その特質がDIATONEのスピーカーの潜在能力を発揮させてくれました。DIATONE(三菱電機)のユニットは国策でもないのに世界最高レベルでした。YAMAHAもそうだけど、日本は部品レベルで見ると2024年現在も世界最高峰のよう。DS-203はネットワーク系がシンプルで、キャビネットに余裕があり、B4Cドームのツイーターとアラミッドクロスコーンのウーファーからは正直な音が出てくる。音像が部分的に凹凸が目立ったり、付帯音がもたらされることとは無縁。空気感は醸成されておらずソースから通過して出てきた本物の空気感。そのようなスピーカーなのでアンプ側に歪みが伴っていたり微小レベルの音素が損失していては窮屈な音楽再生になってしまう。
マーラーの交響曲第二番は混濁せずトランペットの音には艶とハリがある。ELMUSE7より楽音の輪郭がトレースで描かれたようにしっかりとしていて各楽音もよく聞き取れる。とはいえ柔和さは保たれていて最前列で聴いているようなキツさとは無縁。たしかにハモり具合は電源強化前のELMUSE7のほうが良かったけれど、ELMUSE10は電源強化されたとおりに音の立ち上がりが良くなっていて輪郭の良さと分解能の高さに繋がっている。それで無機質な音になったら元も子もないけど映画「トワイライトQ」という1987年発売のVHSテープを再生するとセリフにしっとりとした人間味があってアナログの音の太さもよく出てくる。次にLUNASEAのPVのVHSを再生してみた。このアンプは純粋な音がするのでV系もストレスフリーに聴けてしまう。あえて悪く言うとパンチは効いてない。次に昔録画したVHSを再生してみた。なつかしい番組に素直に没入できた。最後にBlu-rayで『銀河鉄道の夜』を観た。細野晴臣のサウンドトラックがゴムのように伸びやか。
正直なDIATONEから嫌な音が出てこないのはEL SOUNDが小出力であるからと思います。回路が良いのかもしれないけど。巷では高出力アンプばかりで小出力のアンプが見当たらないのが残念だ。90年代当時にELSOUNDのようなアンプがあればDIATONEも潰れずに済んだのかもしれません。他に小出力のアンプを探すとFX-AUDIOのFX-102J(10W+10W)がある。興味が湧いて買ってみたら正解でした。そちらはデジタルアンプだけどゲインが低めなのもあり人間味が豊かな音で 心地のいいアンプです。真空管でも12AU7のほうが増幅率の大きな12AX7より音像が滑らか。またEL SOUNDの製品でもEPWS-5(5w+5w)とEPM-3(3w+3w)を比較すると、3wのアンプのほうが音が澄んでいるようにも感じた。たった2Wの違いだけど、5wの60%という出力なので。
音色・トーンの全体的な傾向はELMUSE7と共通。EPWS-5は優しくてバナナのようにこんもりしててふくよかな音だけれど、ELMUSEはりんごのような甘美な音色。ただELSOUNDは外観は同じでも出力の素子によってぜんぜん音が異なるところがあって、ELMUSE10は若干の仕様変更でほぼ同じ価格なのにELMUSE7とは結構鳴り口が変わる。ELMUSE20にここまで音が近づくのなら、ELMUSE7もラインナップに残しておいて良かったんじゃないかとも思えたけど、ELMUSE7のたおやかな音を求めるなら出力7Wの素子に変更してもらえばいいのかな。
ELMUSE10はELMUSE20のD.レンジの深さと分解能が引き継がれている印象。ふわっと自然にゴリ押し感なく音像が浮き出るのはELMUSEの共通項だけれど、ELMUSE10と20はピアノ三連弾のファリャ『スペインの庭の夜』も千手観音のように手がそこらじゅうから浮いてくる。低音方面はELMUSE7よりしっかり描写されている。DS-203は低域が素っ気ないスピーカーだけれど、低音が出てきたときの描写力は面白かった。
ELMUSE20はフォーカスが絞まって静観しているオーソドックスな鳴り方で、ELMUSE10はそこまで静観しておらずヴァイオリンが瑞瑞しくしなやか。ELMUSE7のほうがたおやかで生めかしかったけど ぼやけるところはあって、そこが電源回路を強化されたゆえに引き締まりました。
ゲインを変更可能とのこと。マイクミキサーを使ったことある人はわかってると思うけどゲインを下げたほうが人間味のある音になります。なぜゲインを上げた仕様にするかというと設計者側の心理としては音量が取れなくて埒が明かない状況を避けたいがため。音色の豊かさはその次になる。なのでAccuphaseとかmarantzとかDENONとかの一般的なアンプにてボリューム位置を9時ぐらいでしか使わないなら、その旨を伝えてゲインを下げてもらったほうがいいかもしれない。ELMUSE10は元々ゲイン低めですが。
以下メールにて頂いたご感想を転載致します。
試聴システム
スピーカー:フォステクス NR-2
SACDプレーヤー:アキュフェーズ DP-570
使用音源
①『ファジル・サイ/ドビュッシー:前奏曲集第1巻、サティ:グノシェンヌ&ジムノペディ(SACD-Hybrid)』
②『Wolfgang Muthspiel/Driftwood』
③『Pearl Jam/No Code』
音源①のピアノソロの演奏では解像度の高さに驚きました。ピアノ演奏のピアニッシモ(減衰音)が超小音量まで、スーッと潰れることなく再生できました。またフォルティシモ(強音部)の立ち上がりも鋭く、打鍵後の倍音成分も余すところなく聴こえましたが、高域が若干耳に痛い感じはありました。演奏中の奏者の呼吸や衣擦れまで聞こえるほどクリアな音でした。音場の広さ、定位も申し分ないです。
音源②では、主に低域をチェックしました。ウッドベース沈み込みは充分で、この小さな筐体からここまで低い帯域が出てきたことに驚きました。かなり引き締まった音なので、もう少しゆったりした感じがあってもいいかなと思いました。その他、ライドシンバルやスネアのブラシの音、ガットギターの擦れる音など粒子状の細かな音がすごくよく聴こえました。あとECM録音特有のリヴァーブ感もふんだんに感じられました。
音源③では、①②とはうって変わって、音単体ではなく音楽自体にいかに入り込めるか、雰囲気やトーン、カラーレーションが出るかのチェックです。やはり各楽器の明快さ、高解像度が目立ちますが、個人的な好みから言うと、もう少しふくよかさ、潤い、音のカラフルさみたいなものが欲しいです。